TACの解約・返金はいくら戻る?講座開始日の前後と入会金、講座ごとの例外を申し込む前に確認
TACの申込規約(2026年6月24日施行)で、講座開始日前は受講料が原則全額返金で入会金10,000円は対象外という扱い、開始後に戻る額の計算式(20%・上限5万円)、通信講座の開始日、講座ごとの別の定め、教育ローンと給付金の注意を整理しました。
TACの講座ページを見ていると、日商簿記2級の合格本科生でも、Web通信(テキストあり)の通常価格で61,500円(教材費・消費税込み)。もっと長いコースになれば、金額はさらに大きくなります。
これだけのお金を払うとなると、「仕事が忙しくなって続けられなかったら、いくら戻るんだろう」が気になってくるのではないでしょうか。
TACの申込規約では、講座が始まる前なら、理由を問わず解約でき、受講料は原則として全額戻ります。ただし、入会金10,000円は戻りません。
始まったあとも解約はできます。TAC所定の書類で申し出ると、まだ受けていない期間の受講料から、20%(上限5万円)を引いた額が戻る仕組みです。ただ、講座によっては計算のしかたに別の定めがあります。
2026年10月29日時点の公式サイトで、TAC申込規約(2026年6月24日施行)、お申込み方法、教育ローン、教育訓練給付制度、講座ページを確認しました。その内容を、申し込む前に見ておきたい順に整理していきますね。
ここで扱うのは、TAC株式会社の「資格の学校TAC」で、個人が資格講座を申し込む場合の共通ルールです。TOEIC® L&R TEST対策講座は専用の申込規約があり、法人申込も別の規約なので、ここでは扱っていません。
先に結論:いつやめるかで、戻るお金が変わる
まず全体を表で見ておきましょう。
| タイミング | 受講料 | 入会金 |
|---|---|---|
| 講座開始日の前 | 原則として全額返金(振込手数料・教材の返送料は自己負担) | 返金されない |
| 講座開始日以後 | 未受講分から20%(上限5万円)を引いた額。申し出は受講期間の最終日の1か月前まで | 返金されない |
| 定員不足などで閉講し、変更しても受講できない(クラス合流などの事前告知がない場合) | 全額返金 | 全額返金 |
分かれ目になるのは、「講座開始日」がいつかです。
教室講座なら開講日なので分かりやすいのですが、通信講座は教材が届いた日ではなく、TACからの初回発送日が開始日になります。「届いた教材を見てから決めよう」と思っていると、その時点ではもう開始日を過ぎているんです。
申し込む講座の開始日を先に押さえておく——ここが、TACの返金ルールを読むときの出発点になります。
講座開始日の前にやめるとき
「申し込んだけれど、始まる前に気が変わった」という場合から見ていきましょう。
全額返金の中身
講座開始日の前なら、理由は問われません。申し出れば解約でき、受け取った受講料は原則として全額、銀行振込で返金されます。
ただし、次のものは自分の負担です。
- 返金の振込手数料
- 受け取った教材を返す送料(教材は返金までに全部返す)
- 教材に折り目や書き込みがある場合は、TAC所定の価格表に基づいて返金額から差し引かれる
「全額」といっても、教材に書き込んでしまうと、その分は戻りません。迷っているうちは、届いた教材をきれいなまま置いておくのが安心です。
入会金10,000円は戻らない
入会金は「初期登録手数料」(会員証発行料5,000円+会員登録料5,000円)という扱いです。そのため、講座開始日の前に解約しても返金の対象外です。
入会金が必要なのは、0から始まる会員番号を持っていない人です。簿記検定講座のように入会金が免除される講座や、入会金が不要なコースもあります。
初めてTACを使う人は、「やめても1万円は戻らない」と考えておくと、あとで「思っていたより戻ってこなかった…」とならずにすみます。申し込む講座が入会金免除の対象かどうかも、講座ページで見ておきたいポイントです。
「講座開始日」は学び方で違う
| 学び方 | 講座開始日 |
|---|---|
| 教室講座 | 登録クラスの開講日 |
| ビデオブース講座 | 第1回講義の視聴を始めた日 |
| 通信講座 | TACからの初回発送日 |
通信講座で「開始前の全額返金」を使えるのは、教材が発送される前までです。申し込んでから発送までの間に迷いが出たら、発送前に連絡する。これが、受講料の全額返金を受けられる最後のタイミングになります。
講座開始日以後にやめるとき
「始まってから続けられなくなった」場合はどうでしょう。もう1円も戻らない、というわけではありません。ただ、戻る額の考え方が変わってくるんです。
申し出の方法と期限
開始後に、健康上・経済上などの理由で続けられなくなった場合は、TAC所定の書類で申し出ます。書類が受理された時点を基準に、解約・返金の手続きが始まります。
申し出の期限は、受講期間の最終日の1か月前までです。規約には、経過した月数によっては返金できない場合があるとも書かれています。
つまり、「最後のほうまで様子を見て、だめならやめよう」は通用しにくい仕組みです。続けるのが難しいと感じた時点で、受付で書類の出し方を聞いてみてください。
返金額の計算式
申込規約の計算式は、次のとおりです。
受領済み受講料 ×(受講期間 − 経過月数)÷ 受講期間 = 未受講料相当額 未受講料相当額 − 未受講料相当額 × 20%(上限5万円)= 返金額
受講期間も経過月数も、月単位で数えます。経過月数は、第1回の講義(通信は第1回の発送)がある月から、解約を申し出た日がある月までです。
仮の数字で当てはめてみましょう。受講料120,000円・受講期間12か月・経過月数3か月なら、次のようになります。
- 未受講料相当額:120,000円 × 9 ÷ 12 = 90,000円
- 解約手数料:90,000円 × 20% = 18,000円
- 返金額:90,000円 − 18,000円 = 72,000円
未受講料相当額が25万円を超えると、手数料は5万円で頭打ちになります。
これは仕組みを見るための仮の数字です。実際の受講期間は講座ごとに違い、次の節で見るように別の定めがある講座もあります。
休む・コースを変えるという選択肢もある
同じ書類で、受講料の「預かり金処理」や、コース・受講形態の変更も申し出られます。この場合は解約手数料を除いて同じ式で計算し、不足があれば差額を払います。
預かり金処理や受講期間の延期の具体的な条件は、確認したページには書かれていませんでした。
「やめる」以外の道があることは、知っておいて損はありません。教室から通信に切り替えるなど、続け方を変えられないかを受付で相談してから決める、という順番もあります。
講座によって計算が変わるところ
ここは、申し込む前にいちばん確かめておきたい部分です。上の計算式がそのまま使えない講座があります。
税理士講座・公認会計士講座
税理士講座の本科生・パック生は、受講期間や経過月数の数え方がパンフレット等で別に定められています。税理士講座の注意事項には、分割払いで初年度に解約する場合の特則もあります。
公認会計士講座の本科生は、「インプット期」と「論文直前期」の2つの受講期間に分けて計算すると、講座の注意事項に書かれています。
通信講座の「受講期間を1ヵ月とみなす」定め
日商簿記2級の合格本科生のページには、次の一文があります。
通信講座(給付制度対象コースを除く)は、申込規約3.の定めに基づき、当講座の受講解約における解約算定式の受講期間は1ヵ月と見なします。
受講期間が1か月とみなされると、式の「受講期間−経過月数」が小さくなります。そのため、開始後に戻る額は、月数どおりに数える場合より小さくなることがあります。
簿記2級以外の講座に同じ定めがあるかは、確認できていません。通信講座を考えているなら、講座ページの注意書きに「受講期間」についての記載がないか、申し込む前に探してみてください。
割引・無料講座を使っていた場合
キャンペーンや特典で、無料または割引で申し込んだ講座がある場合、それを使っていれば、その分は正規受講料相当額で計算されます。
割引が大きいほど、途中でやめたときに戻る額は小さくなる、ということです。割引で決めるときは、「最後まで続けられそうか」も一緒に考えておくと、あとで慌てずにすみます。
クーリング・オフについて
TACの共通の申込規約には、クーリング・オフの条項はありません。TOEIC講座は、専用の書面にクーリング・オフの記載があります。
資格講座でクーリング・オフの扱いが気になる場合は、申し込む前にTACに聞いておくと確実です。
講座ごとの定めは、「パンフレット」「お申込み時の注意事項」「講座ページの注意書き」に分かれて書かれています。自分が申し込む講座について、この3つで「受講期間」と「解約」の文字を探してみる。それだけで、計算のズレはかなり防げます。
教育ローン・給付金を使うとき
支払い方法や給付金を使う予定がある人は、やめるときの手続きが1つ増えることがあります。
教育ローンは、TACとは別にローン会社へ解約を申し出る
TACの提携教育ローン(三井住友カード)で払った場合、TACへの解約とは別に、自分でローン会社に解約を申し出る必要があります。ローンのキャンセル手数料相当分がかかる場合があります。
手数料の額は、確認したページには書かれていませんでした。
「TACに連絡したからローンも止まる」わけではないんです。ローンを使うなら、やめるときの連絡先が2つになると覚えておくと、手続きの漏れを防げます。
教育訓練給付は「修了後に本人が申請」
一般教育訓練給付制度の対象コースなら、本人が払った入会金と受講料の20%(上限10万円)が支給されます。条件は次のとおりです。
- 対象は「給付制度対象」として案内されているコースだけ(たとえば簿記2級合格本科生なら、テキストありのコースのみ)
- 申し込むときに「希望する」を選ぶ
- 修了要件:教室・ビデオブースは出席率80%以上、通信は添削答案の提出率80%以上。どちらも修了試験の正答率60%以上
- 修了後、本人がハローワークへ申請する(原則として修了日の翌日から1ヶ月以内)
- 受給資格(雇用保険の加入期間など)はTACでは判断しないため、自分で確かめる
つまり、申し込むときに安くなるわけではなく、修了して条件を満たした人が、あとから受け取るお金です。
TACの案内では、給付はコースを変更せず最後まで受講することが前提とされています。途中でやめれば、給付は受け取れないと考えておくのが自然です。「20%戻るから」と予算を組むより、まず全額を払える前提で考えておくほうが安心です。
申し込む前に確認すること
ここまでの内容を、申し込む前に確かめておきたい6つにまとめておきますね。
- 申し込む講座の「講座開始日」はいつか(教室は開講日、通信は初回発送日)
- パンフレット・注意事項に、受講期間や返金計算の別の定めがあるか
- 入会金は必要か(免除・不要の対象か)
- 割引・キャンペーン・無料講座を使うか(解約時は正規料金で計算される)
- 支払い方法(教育ローンなら、解約はローン会社にも別に申し出る)
- 教育訓練給付を使うなら、対象コースか・受給資格があるか(受給資格はハローワークで確認)
2がよく分からなければ、受付で「この講座を開始後に解約した場合、受講期間は何か月で計算しますか」と聞いてみてください。数字で答えてもらえれば、自分のケースに当てはめて考えられます。
よくある質問
入会金は返ってきますか?
返金の対象外です。講座開始日の前に解約しても戻りません。ただし、定員不足などで閉講になり、変更しても受講できない場合は、入会金も含めて全額返金されます(事前にクラスの合流などが告知されていた場合は除かれます)。
通信講座の教材が届いてから解約できますか?
解約はできます。ただし、通信講座の講座開始日はTACからの初回発送日です。届いた時点では開始日以後の扱いになり、全額返金ではなく、計算式に沿った返金になります。
クーリング・オフはできますか?
TACの共通の申込規約には、クーリング・オフの条項がありません。TOEIC講座は専用の書面に記載があります。資格講座で気になる場合は、申し込む前にTACに問い合わせておくと確実です。
途中でやめたら、教育訓練給付はどうなりますか?
給付は、出席率や提出率、修了試験の正答率といった修了要件を満たした人が、修了後に申請するものです。TACの案内でも、コースを変更せず最後まで受講することが前提とされています。途中でやめれば、受け取れないと考えておくのが自然です。
ほかの資格スクールの返金ルールと同じですか?
返金のルールは、運営する会社ごとに違います。たとえばクレアールは、教材到着などから8日以内なら全額返金という決まりです(クレアールの返金は「8日以内」がカギ)。比べるときは、それぞれの公式の規約で見比べてください。
まとめ:申し込む前に「開始日」と「講座ごとの定め」を見ておく
TACは、講座開始日の前なら受講料は原則全額戻り、入会金10,000円は戻りません。開始後は、TAC所定の書類で受講期間の最終日の1か月前までに申し出て、未受講分から20%(上限5万円)を引いた額が戻ります。
ただし、税理士・会計士講座の別計算や、通信講座の「受講期間1ヵ月みなし」のように、講座ごとに定めが違うことがあります。割引を使った講座や教育ローンも、やめるときの扱いが変わります。
急いで決める必要はありません。自分の講座の開始日と、パンフレット・注意事項の定め——この2つを確かめてから申し込んでも、遅くはないはずです。分からないところは、受付で数字を聞いてから決めれば大丈夫です。
確認に使った公式情報(2026年10月29日確認)
- 受講ガイド・各種規約(TAC申込規約〈2026年6月24日施行〉・講座別のお申込み時の注意事項):tac-school.co.jp/terms.html
- お申込み方法:tac-school.co.jp/apply.html
- TAC教育ローン:tac-school.co.jp/apply/loan.html
- 一般教育訓練給付制度のご案内:tac-school.co.jp/kyufu.html
- 給付金受給までの流れ:tac-school.co.jp/kyufu/kyufu_nagare.html
- 日商簿記2級 合格本科生:tac-school.co.jp/kouza_boki/boki_crs_2goukaku_n.html